AID非配偶者間人工授精はどうしたら受けられるの
AIDという不妊治療をご存知でしょうか?
AIDとは、非配偶者間人工授精の事を言います。
もう少し砕けた言い方をすれば、
旦那さん以外の男性の精子を使い
人工授精を試みる治療法ですね。
色々なお考えがあるとは思いますが、
今回は、このAIDについて少しだけ詳しく
お話しをしていきたいと思います。
AIDの歴史
AIDは、1949年、慶応大学病院で始まりました。
今までに、すでに1万人以上がこのAIDで誕生していると言います。
結構歴史が深いのですよね。
今まで、無精子症のため、
精巣にもしっかりとした精子が無い男性の場合妊娠をあきらめるか、
養子を迎えるしかなかったのですが、
この治療法ができてからは、本当に子供を授かりたい方にとっては
画期的な治療法の誕生だと言えます。
1年で2000件ほどのAIDが日本国内で行なわれているようです。
どのような場合AIDが受けられるの?
・無精子症
・精巣精子回収術(TESE)を行ったが精子が認められなかった方
・微量の精子は認められるものの妊娠のレベルにはなく主治医からAIDを提案された方。
(性同一性障害の方の治療は受け付けられない)
ガイドラインにしたがって医師が判断をします。
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どのような手順で行なわれるの?
基本、普通の人工授精と同じ流れですが、
違うのは最初のカウンセリングを2回〜3回行なう病院がほとんどだという事。
非配偶者間での人工授精のメリットデメリットを先生が詳しくお話しくださいます。
例えば、授かってから旦那様が「俺の精子じゃないから、
俺の子じゃない」と中絶に至ったり、出産した後に妻が先立ち、
子供だけが残された場合愛情をしっかり注げるかどうか、
財産分与に至るまで、細かくカウンセリングを行なう事がほとんどです。
一度、家に帰され、1ヶ月間冷却期間を設ける病院もあるほど、
慎重に物事を進めていきます。
精子の提供は医学生から
医師としての、倫理観を精子提供から学んで欲しい
という理由で、医学生の精子を使う事になっています。
もちろん、親戚や、家族からの提供もOKですが、
血液型の一致や、過去の病気、
現在の病気など細かく検査をされます。
また、女性側の親戚などでは、
近親者の妊娠を避けるために、
治療を受け付けてくれる病院が少なく、
探しても見つからないほどです。
現在は、身内からや、海外からの精子を受け入れるために
色々決まりごとを決めている段階のようですね。
提供される精子はどんな検査をしているの?
AIDのための精子提供者(ドナー)の条件
(1)健康青年男子であること。
? 未婚であること。
? 年齢は20歳から27歳まで。
? 適正身長、適正体重。
? たばこを吸わない。麻薬等の経験がない。
? 輸血を伴う手術を受けたことがない。
? 感染症、性病の既往症がない。
(2)医学部在学中であること。
? 遺伝に伴う疾患に関し充分な知識があること。
? 倫理的、社会的配慮に関してしっかりとした意見がある。
(3)精神的に安定していること。
? 規定の心理テストを受けること。
? 院長の面接を受けること。
(4)次の検査がすべて陰性であること。
? B型肝炎
? C型肝炎
? エイズ検査(HIV1/2)
? 梅毒
? HTLV1
? ATL
? クラミジア検査
(5)将来のお子様の安全のために癌遺伝子に異常のないこと。
? α1一アンチトリプシン
など、徹底的に調べた質のよい精子を提供しています。
旦那さんに、顔が似ている人からの精子提供を・・などの
声もたくさんあるようですが、それは選べない決まりです。
無作為に選ばれた精子ですので、肌の色、髪の質、
背の高さなどは選ぶ事ができません。
選ぶ事ができるのは、血液型くらいでしょうか。
料金や、実績
料金は、どこの病院でも大体4万円ほどです。
方法も、人工授精と同じですので、
痛みや、辛さは感じられないと思います。
実績は、人工授精よりもやや高めの15パーセントほど。
大体3回続けると妊娠する人が多い一方で
10回以上続けられても、妊娠が叶わないケースもあるようです。
今回は、非配偶者間人工授精について
少しだけ詳しくお話しをしてみました。
古い考えの持ち主や、昔の人(親世代)は
AIDを非難する方もいらっしゃいます。
しかし、それしか道の残されていない夫婦にとって、
自分たちの子供が持てる喜びを得られる
このAIDという治療法はとてもすばらしいものですよね。
夫婦で話し合いや、歩み寄りが
よりいっそう必要な治療でもありますが、
そのため夫婦の絆もよりいっそう深くなるはずです。